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クラウドを活かすために、セキュリティも“クラウドネイティブ”に進化させていますか?

クラウド活用が企業の標準となる今、「どのクラウドを使うか」よりも「どう安全に運用するか」が価値を左右する時代になりました。
本記事ではクラウド × セキュリティの最新潮流から実務設計、ゼロトラスト、データガバナンス、クラウド特有の脅威モデルまで、実案件で求められる視点を包括的にまとめています。


■ クラウドセキュリティ 2025年の潮流

クラウド活用は「移行すれば終わり」の段階を超え、セキュリティ体制の“再設計”フェーズに突入しています。
特に2025年は以下の傾向が加速しています:

  • クラウド利用の急拡大による“設定不備・ID侵害”の増加
  • ゼロトラストを前提としたクラウド認証・アクセス設計の重要性
  • AIエージェントや自動化Botによる新たな内部脅威(Insider modern threat)
  • マルチクラウド/ハイブリッド時代のデータ主権・データ越境リスク
  • クラウド共有責任モデルの誤解によるセキュリティ抜け漏れ

これらは、クラウドを本格導入している企業ほど直面している課題です。


■ クラウドセキュリティで押さえるべき 5つの柱

① 共有責任モデルの正しい理解と文書化

AWS・Azure・GCP など各クラウドで異なる責任範囲(インフラ/OS/アプリ/データ)を誤ると、重大な設定不備が発生します。
実務では以下を明文化しておくことが必須です:

  • クラウド事業者が担う範囲(物理・ハード・基盤)
  • 利用企業側が担う範囲(IAM、暗号化、設定、ログ、運用手順)
  • “グレーゾーン”で混乱しやすい領域(OS、ミドルウェア、WAF、Key管理)

② ゼロトラストをクラウドで実装する

ゼロトラストは「信頼しない」思想だけでなく、“継続的検証” と “最小権限”を実装するフレームワークです。
クラウドでは次のように落とし込みます:

  • ID中心アーキテクチャ(IDを境界とする)
  • MFA+条件付きアクセス+端末制御
  • リソース単位での最小権限ポリシー
  • ネットワーク境界よりも“ワークロード境界”での制御
  • 継続的ログ監査・振る舞い検知(UEBA)

③ クラウド固有の脅威モデルを理解する

クラウドではオンプレとは異なる脅威があります:

  • 権限昇格・IAM侵害(最も多いインシデント)
  • オープンなS3バケット/Blob/ストレージ設定不備
  • 脆弱なAPIエンドポイントの攻撃
  • サーバレス特有の権限スコープ/実行環境攻撃
  • Shadow IT(非公式なクラウド利用)

④ データ主権・越境データの管理

ハイブリッド・マルチクラウドでは、データの所在が複数国・複数事業者になるケースが一般化しています。
対応すべきは次の通り:

  • データ分類(機密区分 × 保存場所 × 暗号化有無)
  • 保存場所の指定(リージョン、AZ、クラウド事業者)
  • 暗号鍵(KMS・HSM)の管理主体の明確化
  • 転送ログ・アクセスログの一元化

⑤ 運用監視とインシデントハンドリング

クラウド運用は“常時変化する環境への追従”が求められます。
最低限押さえるべきは:

  • CloudTrail / Azure Activity Log / Audit Log
  • Config / Defender CSPM / Security Command Center
  • 脆弱性・設定不備の継続モニタリング
  • タグ管理・リソース棚卸し
  • インシデント対応Runbook(自動化含む)

■ 実務向け:クラウドセキュリティ チェックリスト(保存版)

  • □ 共有責任モデルを文書化し、運用チームへ展開済み
  • □ IAMポリシーが“最小権限”になっているか定期レビュー
  • □ MFA(多要素認証)の強制
  • □ APIアクセスキーの棚卸しと回転手順
  • □ ストレージの公開設定はすべて監視・アラート化
  • □ コンテナ/サーバレスの権限・実行環境の管理
  • □ データの所在管理(リージョン / 暗号化 / KMS管理)
  • □ ログは集中管理(SIEM / XDRなど)
  • □ インシデント対応手順・自動化(Lambda/Functions)
  • □ クラウドリソースのライフサイクル管理(作成→利用→廃棄)

■ FourthWallが提供できる支援

  • クラウドセキュリティアーキテクチャ設計(責任分界・ゼロトラスト・CSPM)
  • IAM / データガバナンスの標準化(R&R・ポリシー・命名規則)
  • クラウド移行に伴うセキュリティレビュー・プロセス整備
  • ログ・監視・インシデント対応の自動化設計
  • マルチクラウド / ハイブリッドの統合セキュリティ設計

■ まとめ

クラウド時代のセキュリティは「境界防御」から「アイデンティティ」「データ」へと重心が移りました。
攻めのDXと守りのセキュリティを両立するには、体系的なガバナンス・運用・可視化が欠かせません。

FourthWallではクラウド導入・運用に伴うセキュリティ設計を一気通貫でご支援します。

#クラウド #セキュリティ #ゼロトラスト #DX #クラウド移行 #FourthWall

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