AI活用が急速に進む現在、多くの企業はセキュリティ運用の変革を迫られています。
従来のセキュリティ運用(SecOps)は、監視・検知・分析・対応といった一連の流れを人が中心となって担うものでした。
しかし、システムの複雑性が増し、攻撃手法が高度化し、データ量が爆発的に増える中で、
従来のSecOpsだけでは十分に対応できない状況が生まれています。
そこで注目されているのが、Augmented SecOps(拡張セキュリティ運用)です。
■ 1. なぜ今「Augmented SecOps」が必要なのか?
従来のセキュリティ運用では、次のような課題が顕在化しています。
- アラートの量が多すぎて、優先順位付けが困難
- 分析工程が属人的で、担当者の経験値に依存
- ログが膨大すぎて全件を確認できない
- 対応手順が標準化されておらず、品質が不安定
- AI導入後も「最終判断」は人間が行うため、結局時間がかかる
これらの課題は、AIだけでは解決できません。
AIは強力な補助ツールですが、人間の判断基準やプロセスが曖昧なままだと機能しません。
そこで求められるのが、「AI前提でセキュリティ運用を再設計する」という発想です。
■ 2. Augmented SecOpsとは何か?
Augmented SecOpsは、次の3つの要素を統合した新しいセキュリティ運用モデルです。
- AI(機械による高速処理)
- 人間(最終判断とリスク解釈)
- 標準化されたプロセス・運用ルール
単なる自動化ではなく、人とAIの強みを組み合わせることで、
セキュリティ運用の品質とスピードを最大化します。
■ 3. Augmented SecOpsの構成要素
① AIによるインサイト強化
- ログ相関分析
- 異常検知
- アラート優先順位付け
- 脅威インテリジェンスの活用
② 人間による最終判断と意思決定
- 重大度判断
- 影響範囲の確定
- 対応方針の決定
③ 標準化された運用プロセス
- インシデント対応手順の定義
- アラート分類基準の明文化
- 判断基準の構造化
- 対応ナレッジのテンプレ化
AIが高速処理、
人間が高度判断、
プロセスが再現性・品質の担保を担います。
■ 4. Augmented SecOps導入ステップ
Step 1:As-Is分析(現状評価)
- アラート量・対応工数の可視化
- プロセスの属人化度合いの評価
- ログ構造とデータ流の整理
Step 2:判断基準の構造化(Decision Design)
- 重大度判断の明文化
- 対応パターンの標準化
- 例外処理のパターン化
Step 3:AI × SecOps の統合設計
- AIが担当する領域の定義
- 人が判断すべき領域の切り分け
- AI活用後のプロセス再設計
Step 4:SecOps標準モデルの定着
- CSIRT/SOCとの連携モデル構築
- 運用レビュー・改善サイクルの実装
■ 5. Augmented SecOpsがもたらす効果
- インシデント初動の高速化
- アラート疲れの解消
- 対応品質の安定化
- 属人化の解消
- AIの価値最大化
セキュリティ運用は「ツールの数」で決まる時代ではありません。
構造 × AI × 標準化で決まります。
■ 6. まとめ:AI時代のセキュリティ運用は“拡張”がキーワード
AIによってセキュリティ運用は大きく変わりつつありますが、
最も重要なのは、AIに合わせて運用そのものを再設計することです。
株式会社FourthWallでは、SecOps標準化、運用ガバナンス、AI活用設計、
CSIRT/SOC強化などを包括的に支援しています。
AI前提でセキュリティ運用を前に進めたい企業様は、ぜひご相談ください。
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