AI活用におけるPoC(Proof of Concept)は、
多くの企業で当たり前のように実施されています。
しかし現場では、次のような状況が頻発しています。
- PoCは成功したが、本番導入に進めない
- 技術的には問題ないが、業務で使えない
- 判断が先送りされ、プロジェクトが止まる
これらはAIの性能不足ではありません。
PoCの評価軸が、本番利用を前提に設計されていないことが原因です。
■ 1. 多くのPoCで起きている評価のズレ
PoCでは、次のような指標が重視されがちです。
- モデルの精度
- アルゴリズムの有効性
- データとの相性
これらは重要ですが、
本番導入の可否を決めるには不十分です。
本番で問題になるのは、むしろ次の要素です。
- 運用にどれだけ人手がかかるか
- 例外時にどう対応するのか
- 精度劣化をどう検知するか
- 業務プロセスに自然に組み込めるか
- 誰が最終判断・責任を持つのか
■ 2. PoCは「本番の縮図」であるべき
PoCの本来の目的は、
本番で起きる問題を先に炙り出すことです。
にもかかわらず、
「とりあえず動かす」「精度を見る」だけでは、
本番で必ず壁にぶつかります。
PoCでは、次の視点を必ず含める必要があります。
- 運用フローは成立するか
- 例外処理は現実的か
- 業務担当者は使えるか
- 改善・見直しは可能か
■ 3. 本番につながるPoC設計のポイント
① 運用負荷の可視化
どの作業に、誰が、どれだけ関与するのかを明確にします。
② 判断責任の明確化
AIの判断結果を誰が承認し、責任を持つのかを定義します。
③ 例外処理の設計
AIが判断できないケースを想定し、人の介在ポイントを決めます。
④ 業務プロセスとの接続
AIを単体で評価せず、業務の一部として組み込みます。
⑤ 改善前提の設計
PoC後の改善・再検証を前提とした設計を行います。
■ 4. ITIL視点で捉えるPoC
ITILでは、価値は「使われ続けることで生まれる」とされています。
PoCも同様に、継続利用を前提に評価すべきです。
PoCを「技術検証」で終わらせないことが、
AI活用を成功させる最大のポイントです。
■ 5. まとめ ─ PoCの成否は評価軸で決まる
PoCが成功してもAI導入が失敗する理由は、
技術ではなく評価軸のズレにあります。
株式会社FourthWallでは、
PoC段階から運用・ガバナンス・業務適合性を含めた評価設計を行い、
本番につながるAI導入を支援しています。
PoCが前に進まないと感じている場合は、
一度「評価軸」そのものを見直してみてはいかがでしょうか。
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