AWSは、今や多くの企業にとって標準的なクラウド基盤となりました。
一方で、「AWSを使っているが、期待した成果が出ていない」という声も少なくありません。
本記事では、AWS活用が伸びる企業と伸びない企業の違いを、
技術ではなく設計思想・運用視点から整理します。
1. AWS活用が止まる企業の共通点
AWS活用が伸び悩む企業には、いくつかの共通点があります。
- AWSを「インフラの置き換え」として扱っている
- 各プロジェクトが独自ルールで使っている
- 運用・セキュリティは後付け
- 標準化とスピードのバランスが取れていない
- 改善が属人化している
これらはAWSの機能不足ではなく、
使い方を決める設計が存在しないことが原因です。
2. AWSは「自由度の高いプラットフォーム」である
AWSの最大の特徴は、自由度の高さにあります。
この自由度は強力ですが、設計がなければ次の問題を生みます。
- 構成がバラバラになる
- コストが読めなくなる
- セキュリティレベルに差が出る
- 運用負荷が増大する
つまり、AWSは「自由に使える」からこそ、
自由を制御する設計が必要なのです。
3. 成果が出る企業が最初に設計しているもの
AWS活用がうまくいっている企業は、
最初に次のような点を設計しています。
3.1 責務分界
誰がAWS全体を統制し、誰が利用するのか。
アカウント管理、権限管理、ネットワークの責任範囲を明確にします。
3.2 標準化と裁量の線引き
どこまでを標準とし、どこからをプロジェクトに任せるのか。
テンプレート化やIaCでスピードと統制を両立します。
3.3 運用前提の設計
監視、障害対応、変更管理、コスト管理を
最初からAWS設計に組み込みます。
3.4 セキュリティとガバナンス
IAM、ログ、監査、証跡を「後付け」ではなく
設計段階で組み込みます。
4. AWS活用の分岐点は「運用フェーズ」にある
AWSは導入フェーズでは差が出にくく、
運用フェーズで差が一気に開きます。
- 改善を回せるか
- コストを可視化できているか
- 変更を安全に回せるか
- 人に依存しない運用ができているか
これらはすべて「設計の結果」です。
5. AWSシリーズについて(予告)
本シリーズでは、今後以下のテーマを順に扱っていきます。
- AWS × AI(生成AI・PoCから本番への設計)
- AWS × セキュリティ(ガバナンスと実装の現実解)
- AWS × 運用(ITIL視点でのクラウド運用)
- AWS × 標準化(CoE・責務分界・設計モデル)
AWSを「導入した」で終わらせず、
事業に効くプラットフォームとして使い切るための視点をお届けします。
まとめ
AWS活用の成否を分けるのは、
サービスの選定でも、技術力でもありません。
使い方をどう設計し、どう運用するか。
ここにすべてがあります。
株式会社FourthWallでは、
AWSを前提とした運用設計・ガバナンス設計・改善サイクル構築を通じて、
クラウド活用を“継続的な成果”につなげる支援を行っています。
コメント