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ログは「取っている」だけでは足りない ─ 監査で“使えるログ設計”という視点

AWS活用が進む中で、システム監査やセキュリティの場面で必ず問われるのがログです。
「その操作は、あとから追跡できますか?」

多くの現場では「ログは取っている」と回答できます。
しかし一方で、実際にインシデントや監査対応が発生すると、
「どこを見ればいいのか分からない」「必要な情報が揃っていない」という状況に陥りがちです。

本記事では、AWS環境におけるログを
“取るためのログ”ではなく、“使えるログ”
という観点から整理し、監査に耐える設計の考え方を解説します。


1. なぜログは「あるのに使えない」のか

ログが機能しない理由の多くは、設計段階での考慮不足にあります。

  • 目的を決めずに「とりあえず取得」している
  • サービスごとにログが分散している
  • 保管・検索・可視化が考慮されていない
  • 誰が見るのかが決まっていない

結果として、
「ログは存在するが、判断材料として使えない」
状態になってしまいます。


2. システム監査でログに求められる本質

システム監査の観点でログに求められるのは、量ではありません。
重要なのは、次の問いに答えられることです。

  • 誰が
  • いつ
  • 何をしたのか
  • その結果、何が起きたのか

この4点が追跡できてはじめて、
ログは「監査証跡」として意味を持ちます。


3. ITIL視点で考えるログの役割

ITILでは、ログは単なる記録ではなく、
改善と意思決定のための情報として位置付けられます。

ログが適切に設計されていると、次のような効果があります。

  • インシデントの原因特定が速くなる
  • 影響範囲を正確に把握できる
  • 再発防止策を具体化できる
  • 監査対応が場当たりにならない

つまりログは、
運用を安定させ、価値提供を継続するための基盤でもあります。


4. AWSにおける「使えるログ設計」のポイント

4.1 ログは集約してはじめて価値を持つ

AWSでは、サービスごとに多様なログが出力されます。
これらを個別に管理していては、横断的な追跡が困難です。

  • 操作ログ
  • 通信ログ
  • アプリケーションログ

これらを一元的に集約し、検索・分析できる状態にすることが重要です。

4.2 「取るログ」と「見るログ」を分けて考える

すべてのログを常時確認する必要はありません。
一方で、必要な時にすぐ確認できる状態は必須です。

  • 平常時は自動検知・通知に任せる
  • 異常時はすぐに遡れる構成にする
  • 人の記憶に頼らない設計にする

4.3 保管期間と改ざん耐性を設計に含める

監査対応では、「ログが改ざんされていないか」「いつまで残っているか」が問われます。
これも運用ルールではなく、設計で担保することが重要です。


5. まとめ:ログは「監査対応のため」だけではない

AWSにおけるログ設計は、
監査対応のためだけに存在するものではありません。

適切に設計されたログは、
・インシデント対応を速くし
・運用の質を高め
・結果としてビジネスの信頼性を高めます。

株式会社FourthWallでは、
AWS環境におけるログ・監査設計を、
システム監査・ITILの視点を踏まえて整理・実装する支援を行っています。

ログを「取っている」で終わらせず、
「使える状態」にするところから始めてみてはいかがでしょうか。

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