ITガバナンスを強化したはずなのに、
「スピードが落ちた」「現場が疲弊した」「形骸化している」
そんな声を耳にすることが増えています。
多くの企業では、その原因を
「ルールが多すぎる」「現場の理解不足」
と捉えがちですが、本質はそこではありません。
問題の正体は、ITガバナンスが“設計されていない”ことにあります。
■ 1. ガバナンスが「重くなる」組織の共通点
ガバナンスが形骸化・肥大化する組織には、次の特徴があります。
- すべてを統制しようとしている
- 例外時の判断ルールが存在しない
- 承認フローが過剰に多段
- IT部門と業務部門の責務が曖昧
- 「守るためのルール」になっている
結果として、現場は
「判断できない」「待つしかない」状態になり、
DXや改善活動が止まってしまいます。
■ 2. ITガバナンスの本来の目的
ITガバナンスの目的は、
リスクをゼロにすることではありません。
本来の目的は次の3点です。
- リスクを把握・許容できる状態にする
- 判断を属人化させない
- 安心してスピードを出せる環境を作る
つまり、ガバナンスは
現場の行動を止めるためではなく、任せるための仕組みなのです。
■ 3. 「効くガバナンス」を持つ組織の特徴
機能している組織では、ガバナンスが次のように設計されています。
① 統制ポイントが明確
すべてを管理するのではなく、
「ここだけは必ず守る」というポイントが定義されています。
② 例外時の判断ルールがある
想定外のケースでも、
誰が、どこまで、どう判断できるかが決まっています。
③ 責務分界が整理されている
IT部門・業務部門・ベンダーの役割が明確で、
判断のボールが迷子になりません。
④ ガバナンスとスピードの両立
標準化・テンプレート化により、
ルールを守るほどスピードが出る設計になっています。
■ 4. DX時代に求められるITガバナンス設計
クラウド・AI・アジャイルが前提となった現在、
従来型の統制モデルは通用しません。
必要なのは、次のような設計です。
- 統制と裁量の線引きを明確にする
- 判断基準を構造化する
- 承認ではなく「ルール+可視化」で統制する
- 運用と改善を前提にする
■ 5. まとめ ─ ガバナンスは「重くするもの」ではない
ITガバナンスが重くなるのは、
ルールが多いからではありません。
設計されていないガバナンスが、
組織のスピードと柔軟性を奪っているのです。
株式会社FourthWallでは、
DX・クラウド時代に適したITガバナンス設計、
責務分界・判断基準の構造化を通じて、
「軽くて効くガバナンス」の構築を支援しています。
ガバナンスが足かせになっていると感じたら、
一度“設計”から見直してみてはいかがでしょうか。
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