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IT運用が属人化する本当の理由 ─ 問題は人ではなく「運用設計」にある

IT運用の現場でよく聞かれる悩みのひとつが「属人化」です。
特定の担当者がいなければ回らない、聞ける人が限られている、という状態は多くの企業で見られます。

しかし、この問題は担当者のスキルや意識の問題ではありません。
本質的な原因は、運用が設計されていないことにあります。


■ 1. 属人化は「自然に起きる」

属人化は、誰かが意図的に起こすものではありません。
次のような状態が重なることで、自然と発生します。

  • 判断基準が文書化されていない
  • 手順が暗黙知のまま引き継がれている
  • 例外対応がその場判断になっている
  • 責務分界が曖昧
  • 改善が個人の努力に依存している

この状態では、経験を積んだ人に作業が集中し、結果として属人化が進みます。


■ 2. 属人化を助長する誤解

① 「ドキュメントを書けば解決する」

手順書だけを作っても属人化は解消しません。
判断基準や例外処理が定義されていなければ、結局人に依存します。

② 「教育すれば何とかなる」

教育は重要ですが、設計されていない運用を教えても再現性は生まれません。

③ 「優秀な人を増やせばいい」

人を増やすほど、属人化は複雑になります。
必要なのはスキルではなく構造です。


■ 3. 属人化を解消するための運用設計

① 判断基準の構造化

「どの条件でどう判断するのか」を明文化し、誰でも同じ判断ができる状態を作ります。

② プロセスの標準化

作業の流れを定義し、個人のやり方に依存しないプロセスを設計します。

③ 例外処理の設計

想定外を想定し、例外時の分岐やエスカレーションルールを定義します。

④ 責務分界の明確化

誰が決め、誰が実行し、誰が責任を持つのかを整理します。

⑤ 改善を仕組みに組み込む

改善を個人任せにせず、定期的に見直すサイクルを運用に組み込みます。


■ 4. ITILが示す「属人化しない運用」の考え方

ITILでは、サービスマネジメントを「人」ではなく「仕組み」として捉えます。
再現性・可視性・継続的改善が重視されるのは、そのためです。

属人化を防ぐ運用とは、
誰がやっても同じ品質が担保される状態です。


■ 5. まとめ ─ 属人化は“設計”でしか解消できない

IT運用の属人化は、人の問題ではありません。
運用が設計されていないことの結果です。

株式会社FourthWallでは、
ITIL・クラウド・DXの視点から、属人化しない運用モデルの設計、
標準化・ガバナンス構築を支援しています。

属人化に悩んでいる場合は、
まず「人」ではなく「構造」を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

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